授業後、クラスメートの中国人からチケットが回ってきて、百周年記念堂で上映される『日本沈没』を見に行った。
1000人以上入る会場だと思うが、客席は9割以上埋まっていた。ちなみにチケットの定価は8元(約140円)と書いてある。
中国語吹き替えの字幕なしで、俺の実力ではちゃんとは聞き取れない。特に登場人物の名前が分からない。今後の中国語学習の課題である。
昨日夜更かししてしまったため、映画の前半は眠ってしまった。目が覚めたら日本がパニックに陥っていて、草彅氏と柴崎コウが恋仲になっていた。完全に取り残されてしまった。
面白かったのは中国人観客の反応で、日本の株価が大暴落する深刻なシーンでは、急激な下降線を描く新聞の株価折れ線グラフに大爆笑していた。こっちの人の「他人の不幸話で大爆笑する」ところは、いまだにどうも好きになれない。
また中国の軍艦が助けに来るシーンでは嬉しそうに笑っていた。
そんな反応をしているものだから、みんな「日本ざまあみろ」的な冷めた目で鑑賞しているのかと思いきや、映画のエンドロールでは観客から大きな拍手が起こった。明かりがつくと、目を腫らしている男子学生すらいた。
俺は邦画至上主義者とかではないが、中国人が日本映画を楽しんでくれているのを見るのは悪い気はしなかった。
ただ、この映画の背景にある、俺を含む日本人観客の多くが抱いているであろう「生きている間に一度は必ず大地震に遭う」という潜在的な不安感とかは、きっと彼らには理解不能だろう。しかし、それも仕方のないことである。